2010年3月30日火曜日

葉わさび

もしうちが居酒屋なら
この季節、ぜったい突き出しに出したいひと皿
食べるたびに春を噛みしめる幸せなお惣菜です
前にも載せたことがあるかもですが
レシピとしては載せたことがなかったので改めて。

葉わさびと言ってもわさび漬けにする大きなものではなく
早春の、芽が出始めてすぐのところを買ってきます。

お湯をたっぷり沸かします
お湯を沸かすあいだに漬け汁を用意します
砂糖少々、醤油と醤油の1/3から1/2程度のお酢を
大きめの容器に入れてざっと混ぜます
わさびから水気が出るのでそんなに多くなくていいです

葉わさびはたっぷりの水につけて洗います
根っこの上に泥が入ってるけど
いちばんおいしいところなので気をつけてよく洗い
4〜5cmほどに切ります
つぼみや花、葉の部分も全部ざく切りします
根っこの上と根っこ(付いていれば)は
縦にいくつかに切ります
お湯がぐらぐらに沸いたらわさびを一度にざっと入れ
一度全体を返したら火をとめてざるにあけます
軽く水気を切ったら熱いうちに漬け汁の中に入れて
よく混ぜたらできあがり

「切っちゃだめ」「茹でちゃだめ」とよく言われてるようですが
いろいろやってみてこの方法にたどり着きました
手早くできるので香りが逃げないし
できたてもおいしいし
冷蔵庫で一晩たって味が馴染んだものもおいしいです
好みでかつお節もいっしょに混ぜておくか
あとからのせてもいいと思います

器 粉引猪口 径7.3cm 1800円

2010年3月26日金曜日

つくしんぼ

店の前にも何年かぶりに土筆がひょっこりはえてきて
とても嬉しい春
採って食べるほどはなかったんですが
塩屋のお土産にたくさんもらったので
半分は定番の卵とじにしてあとは佃煮風にしてみました
神戸市の西のはしっこの塩屋には
ポポのメンバーのひとりが住んでいるので
何度か遊びに行ってるんですが
駅を降りたらリヤカーが1台ようやく通れるくらいの幅の
つづれ折りの坂道があって
両脇にさかな屋さんや八百屋さん、豆腐屋さんなどが
軒を並べています
どれも小さなお店だけど
さかな屋さんにはその日塩屋の漁港であがった
地元のさかなや、そのさかなで作ったお惣菜が並んでいて
やおやさんには近所で採れとれの野菜が並んでいて
近所の人たちや電車を降りて家路をいそぐ人人が
お店の人とちょっとした会話を交わしながら
買い物していく当たり前の風景が
とてもすてきな海辺の町です

土筆は頭をまずとって
(食べるひともいるけどとった方がおいしい
 若い土筆なら何本かは残してもいいかも)
たっぷりの水に漬けてアク抜きします
面倒だけどはかまをひとつずつ取ったら
ぐらぐらのお湯で一瞬湯通しします
あとは適当に切って
酒、醤油、砂糖で炊くだけ
写真のはお出汁をとったあとの昆布と
炊くときに鰹節を少々入れました
これまた日本酒が合うんですよねえ…

皿 無地手塩皿 径11cm弱 1800円

2010年3月18日木曜日

ししゃものマリネ

このディッシュはほんとは
今が旬の小女子(こうなご)で作るのがおすすめなんですが
この日は小女子がたまたま売ってなかったということで
特売だったししゃもで作りました
もしお近くで見つかれば
釜揚げで売ってる小女子でお試しください
(注 釘煮用の生のではなく12cm前後のボイルして売ってる分です)

まずマリネ液を作ります
たいらで浅いうつわに
レモン四分の一くらいの汁とその4倍量くらいのお酢
できるだけ薄くスライスしたニンニクひとかけ
あれば若いセロリの葉など好みのフレッシュハーブを入れて
軽く混ぜておきます

フライパンにひまわり油などの油を薄くひいて
中火より強いくらいの火でししゃもをこんがり焼きます
(ボイル小女子の場合もくずれないように
 両面をこんがり焼きます)
焼けたら順次マリネ液に放り込んで
ざっと混ぜてできあがり
またまた超かんたん
ししゃもも小女子も
わりとしっかり塩味がついてるので
塩気は足さなくていいと思います
できたてもおいしいし
余ったら冷たくしてもおいしいです

急いで食べたかったので
陶器の器に盛り直して撮るのを忘れました!
…今回は器はお休みです


2010年3月8日月曜日

鯣の煮物

ハノイの旧市街は問屋街で、一本ずつの通りごとに
同じ業種の商品を商うお店が並んでいることで知られてますが
その中の一本にスルメ屋さんの通りがあって
どこの軒先にもスルメが干してありました
ベトナム料理のレシピを見るとスルメをもどして
炒め物などに使う料理がけっこうあります
なぜかなんとなく試してみたことなかったのが
お正月の誰かのお土産の「あたりめ」が袋いっぱい残ってたので
やってみてはまってます
生臭い匂いが残るのかなーと思いきや?
それはそれは上品なお出汁で
干したことに由来するだろうコクが出て
煮物にするとほんとにおいしい!
ひと晩だと戻らない感じなので暑くない時期がいいかもしれません
夏は戻してるあいだ冷蔵庫に入れた方が良さそうです

最初から切ってあるものを使いました
スルメは二日間、水につけてもどします
もどったスルメを手で細かく裂いて
もどし汁ごと、皮をむいた里芋といっしょに火にかけます
もし里芋が顔を出してしまうようだったら
水を足すか、あらかじめ里芋だけ下茹でするといいと思います
沸騰したらお酒を足して、しばらくのちに塩を少し、
里芋に火が通ったらお醤油を足して煮含ませてできあがり
と、とても簡単!
知らずに食べたら
この辺のおせち料理の
干し鱈のお出汁と間違いそうな上品さもそなえた
こっくりした煮物
これまた残りものの紅しょうがをのせてみました
酒よし飯よし、です


器 粉引片口(ずいぶん前のもの) 2500円



★前回の記事のお料理企画の献立と器を
 料理を担当してくださったルレ・カンパーニュのブログで
 ご紹介いただいてます。
 献立を眺めるだけでわくわくします。
 

2010年3月1日月曜日

デキャンタ?


セルクルとカレ、無事終了しました。
ご来場くださったお客さま、ありがとうございました。

お飲物の器としての使用例ですので
今回はレシピはおやすみですが
chef d'oeuvreさんのオーダーで作った新作のご紹介です。
わたしたちも知らなかったのですが
農家の方たちの素朴な飲み物であるリンゴのお酒、シードルは
元来、陶器の器で飲むものなのだそうです。
(ちなみにサイダーはもともとシードルのこと、
 日本のサイダーの甘い香りに納得です)
お店ではシードルをサーヴする器としてのご注文でしたが
シードルが手に入らなかったのでちょっと甘口の発泡ヴィーノで
試し使いしてみた画像です。
実際お店で使ってくださってるのを見たら
シードルの琥珀色と粉引のやわらかな白のコントラストが
とても綺麗でした。
2合たっぷり入りますので
来客があるときの冷酒の器としてもおすすめです。
花器に使っても楽しいと思います。
ころんとまあるいカップはお茶やポタージュにも良さそうです。
大阪阿波座のchef d'oeuvreでも販売しています。


器 粉引デカンタ(片口) 3200円 シードルカップ 2000円